救急診療
小児のひきつけ
巷野 悟郎
1
1都立駒込病院小児科
pp.1400-1401
発行日 1970年9月10日
Published Date 1970/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203322
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ひきつけまたは痙攣は,全身の筋または筋群が発作的に,不随意的に運動することで,これには強直性と間代性とがある.強直性痙攣は筋肉がいっせいに収縮し,ことに伸筋の収縮が強いので手足をつっぱりくびや背を伸ばす.間代性痙攣は手足その他の筋肉が一定のリズムで周期的に収縮するためにおこる.
小児は成人に比して痙攣をおこしやすいが,この原因は大脳がなお発育の過程にあるために,諸種の刺激に対して不安定かつ過敏な反応を示しやすいからである.たとえば,発熱という刺激に対して,大脳の旧皮質や辺縁系の機能は亢進を示すが,新皮質の抑制する機能はなお不十分なものがあるので,全身性の痙攣,すなわち熱性痙攣を発現すると考えられる.
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