症例
Zieve症候群を呈した肝硬変症の1例
佐藤 源一郎
1
,
芳賀 稔
1
,
上野 幸久
2
,
菅井 健二
3
,
遠藤 了一
4
1三宿病院内科
2三宿病院
3三宿病院病理
4三宿病院検査室
pp.1107-1111
発行日 1970年6月10日
Published Date 1970/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203250
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1958年Leslie Zieve1)は過去8年間にMineapolis Vete-rans Hospitalに入院した患者の中で,原因不明の肝疾患とされていた20例を集めみたところ,その経過中に,黄疸,脂血症,溶血性貧血の3徴候が出現していることに気づき,しかもこれらがアルコール性脂肪肝と密接な関係があることがわかり,新しい症候群として報告した.本邦では1962年の内藤・友野両氏2)の報告が最初で,本症候群の血中脂質分画の特異性を述べ,溶血性貧血は必発の徴候でないのではないかと指摘している.その後中沢ら3).福田ら4)の報告をはじめ,本症候群の報告は本邦でも10例をこえている.筆者らは過去8年余にわたって,肝硬変症,高血圧症,糖尿病として経過を観察し,その経過中に大量の飲酒を契機として,たびたび一過性の中等度の黄疸と肉眼的脂血症を呈した1例を経験したので報告する.
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