Current Abstract
膠原病とガンの関連—Radiology, April 1969
pp.998
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203216
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さいきん発表された,いくつかの報告によれば,ある患者に"膠原"病(たとえば紅斑性狼瘡,皮膚筋炎,あるいは硬皮症)が生じれば,それに引きつづいて,同じその患者に悪性腫瘍(たとえばリンパ腫,骨髄腫,あるいはガン)が発生するという.Bardenは,膠源病と悪性腫瘍の間にみられるこの関連は,免疫グロブリン機構における撹乱—これが,上記の2つの疾患群をひきおこす共通因子と考えられる—を反映しているのではなかろうかと示唆している.
正常な免疫機構は,正常に機能するリンパ球と形質球に依存している.異物たる抗原物質が身体に侵入すると,これらの細胞は増殖してグロブリンを生産するが,生じたグロブリンは,抗原に特異な抗体として働くのである.ある患者ではおそらく,異常なリンパ球が増殖し,ついで異常なグロブリンを生産するが,かくして生じたグロブリンのうちのあるものは,宿主自身の組織と反応して,自己免疫状態を作るのではなかろうか.ある種の臨床的な疾患,たとえば結節性動脈周囲炎,リウマチ状態,紅斑性狼瘡および硬皮症は,自己免疫状態と関係した疾患である.同様に,ある種の悪性状態,たとえば多発性骨髄腫や慢性リンパ球性自血病にはふつう,大量の各級グロブリンまたはリンパ球が伴うが,これらは抗原の刺液に異常に反応するのである.
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