臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
XVI.脈管造影法
2.肝血管造影法
中村 省三
1
1東北大中村内科
pp.876-878
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203185
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肝静脈造影
適応と禁忌 肝静脈内にカテーテルを挿入しなければならないので,手技がやや面倒であるが,肝硬変症では血管の変化は肝静脈において最も著明であるので,肝硬変症の有無および程度を知るのに,血管造影法中最もすぐれている.また同時に閉塞肝静脈圧を測定でき,次に述べる閉塞肝静脈造影で門脈も造影できる利点がある.本法は肝腫瘍の診断にも有用である.通常肝静脈造影は右肝静脈枝について行なわれるので,この領域に腫瘍がなければ発見できないが,造影した肝静脈枝の領域に腫瘍があればこれをしばしばとらえることができる.
禁忌となるものはヨウ素過敏症,進行した腎不全,心不全などである.経脾門脈造影と違って出血傾向があっても禁忌とはならない.
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