Current Abstract
不眠をどう取り扱うか—Postgraderate Medicine, Dec. 1969
pp.768
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203148
- 有料閲覧
- 文献概要
不眠の病歴をとるばあい,つぎの諸点に留意することが大切である.
まず第1に,不眠患者の主観的な話は,一般的にいって,ほとんど信頼するに足りないということである.睡眠実験室でわれわれは,被検者を生理的に眠らせることができるが(脳波で睡眠リズムの有無を知ることができるのである),眠っていたにもかかわらず被検者は眠っていなかったと主張する.また,遡及的な時間知覚は,睡眠中に狂うものである.たとえば,実際には数時間も眠っていたのに,患者はしばしば,ほんの数分しか眠らなかったなどと,主張するのである,そういうわけで,不眠(主観的な訴え)と睡眠剥奪(客観的な状態)とは,月とスッポンほどの差があることに留意すべきである.
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.