グラフ
機械による心筋硬塞の治療—基礎研究と臨床用装置について
三浦 勇
1
,
丁 栄市
1
1東女医大心臓血圧研究所
pp.1329-1334
発行日 1969年12月10日
Published Date 1969/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202888
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ここに紹介するのは,心筋硬塞の治療に機械を応用せんとする一連の研究と,臨床用装置の概要である.Coronary Care Unit(CCU)開設以来,急性心筋硬塞症における不整脈死はいちじるしく滅少したが,反面,循環不全による死亡は相対的に増加し,結果として全体の死亡率はいぜんとして高い数字を示している(図1参照).
心筋硬塞に続発する循環不全は,心筋壊死が原因である以上,本質的には治癒させることができる性質のものであるが,傷害心筋に治癒の傾向が出現するまでに数日を要するため,疲弊した心筋はその間,循環を支えることができず,同時に冠血流量の減少によって心筋自体の傷害も拡大し,悪循環を形成して患者の多数は死にいたるのである.
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