シンチグラムのよみ方・3
肺臓および心臓
鳥塚 莞爾
1
,
中尾 訓久
2
,
浜本 研
1
1京大中央放射線部
2京大第3内科
pp.921-928
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202772
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肺・心scanningの開発と応用
肺scanningは,肺の血流を応用して行なうperfusion scanと換気を応用して行なうinhalation scanに2大別される.前者は肺毛細管の径が1-15μであるので,この毛細管の径より大きいγ線放出RI化合物の粒子を静注投与して,肺毛細管に微小肺栓塞を起こさせて行なうscanningである.1963年来,Taplin,Wagner,上田らにより開発された131I-MAA(macroaggregated albumin)による肺のperfusion scanが肺動脈血流の局所的な循環障害の鋭敏な指標として臨床診断に急速に応用されるにいたっている.後者は1965年,Taplinらにより開発され,エロゾル化したRI化合物をI. P. P. Bで気管内に吸入させ,肺胞や気管支にその放射性エロゾルを沈着させてscanする方法である.
心臓scanningは心プールscanと心筋scanに2大別される.前者は1958年Rejaliが131I-human serum albumin(RISA)を用いて血液プールのscanが可能なことを示して以来,心嚢液貯溜,心血管プールの大きさの診断法として広く応用されるようになり,後者は心筋硬塞の硬塞部位をscanで描写しようとするものである.
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