メディチーナ・ジャーナル=日医
社会に適応した医療とは何か?—医療綜合対策特別委員会の発足
木島 昂
1
1日医広報
pp.883
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202757
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医療全般の抜本改正
いわゆる"抜本改正"と呼称されてきたものは,医療保険制度の抜本改正であった.日医案をはじめ,自民党の鈴木調査会,厚生省,野党各派,支払者側等から諸試案が案出され,焼きなおしの厚生省事務当局試案が問題になり,ついには健保特例法改正案にひっかかってこの問題は当分日の目を見ることなく,くすぶりそうである.ひいては,5月26日からの特例法の衆院社労委で始まる実質審議が,他の2大懸案である,〈防衛〉〈大学〉と並んで未曽有の延長国会の原因となり,おおかたの見方では健保特例法延長は自民・社党間の取り引きにより8月早々衆院通過におちつくものとふまれている.
日医では,このこととは別に,医療を根底から正そうとする姿勢のもとに,医学教育から医療制度まで,ひっくるめていえば"真に社会に適応した医療"の理想像を求めて,〈医療綜合対策特別委員会〉を発足せしめた.いわば医療全般にわたっての抜本改正である.
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