EDITORIAL
外科からみた胃潰瘍の内科的治療の限界
中山 恒明
1
1東京女子医大消化器病センター
pp.623
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202678
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私,いつも述べておるところでありますが,外科医であるまえに医師である,ということは患者の身になって,その患者に一番良い治療法をやって病気を治すということであります.外科医でありますから,胃潰瘍に対して私自身がどのような考えをもっているかということをお話しするのも内科の皆様に参考になると存じます.
皆様もご存じのように今日は,‘胃は外臓である’といえるように,胃のレントゲン診断も,内視鏡的診断も非常に進みました.その結果として皮膚の病変と同じ程度によく見ることができ,検査することができるようになりました.また,生検,すなわちバイオプシーも確実に行なえるようになりました.したがって胃潰瘍がありました場合に,その潰瘍の部分,ならびにその周囲,もしくはあやしげな粘膜の部分を完全に生検‐バイオプシーをいたしまして,そのいずれかの部分に悪性変化のある場合は,絶対に内科的治療で経過をみるべきでなく,これはいうまでもないことと存じます.
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