診断のポイント
コレステロール異常値
富田 仁
1
1京大病院中央検査部
pp.407-408
発行日 1969年4月10日
Published Date 1969/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202616
- 有料閲覧
- 文献概要
血清コレステロールには遊離型とエステル型とがあるが,ここでは両者を合わせた血清総コレステロール値について述べる.血清総コレステロール測定には,いろいろの方法があり,また同一方法でも試薬などによって著しくデータの動揺する臨床検査の1つである.同一試料の繰返し測定実験における変動係数(C. V.)を±10%以内に収めることもなかなか困難である.このような測定誤差に加うるに,年齢差,性差,日差,季節差,環境差,人種差などがあって,正常値さえ決定することもむずかしい現状にある.京大中検では創立以来Bloor1)変法によって測定しているが,アメリカのアトランタCommunicable Disease CenterからのControl Surveyでは,われわれの測定値は再現性において世界一であるが,標準とされているAbell-Kendall2)法値に比べれば約20mg/dl高値である.
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.