阪大・阿部内科 研修医のためのWard Conference・2
狭心症—心室頻拍をともなう狭心発作
阿部 裕
1
,
原 宏
1
,
榊原 博
1
,
萩原 俊男
1
,
松谷 公夫
1
,
北畠 顕
1
,
加来 弘臣
1
,
小豆沢 瑞夫
1
1阪大阿部内科
pp.199-204
発行日 1969年2月10日
Published Date 1969/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202558
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阿部 狭心症,あるいは発作性心臓頻拍症などの心臓発作は,医師が発作に直面する機会が比較的少ないゆえに,問診または間欠期の検査を通じて発作の内容を推察するにとどまるため,正確な病態の診断が困難となることが多い.とくに軽症ないし非定型の場合は,発作中の所見が把握されていないと,神経症などとして見のがされる場合も少なくないと思われる.したがって,発作の状況を具体的に聞き出す問診技術の研修につとめることはもとより不可欠ではあるが,発作の捕捉能力の向上をはかることはきわめて肝要である.そのためには冠状動脈疾患監視病室(coronary careunit)のごとき設備も有用であるが,また発作に遭遇した場合には,検査ならびに身体所見の把握を重点的に行なうことにより,客観的事実の認知に悔いをのこさないよう配慮せねばならない.
本日は狭心症例を呈示して,以上の諸点について討論したい,主治医,症例を説明してください.
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