症例
片麻痺発作を反復した1例
楠井 賢造
1
,
竹中 徹
2
1和医大第2内科
2和医大内科
pp.1133-1137
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202383
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脳血管障害の中で,脳の巣症状の発作を反復するが,短時間で消槌し,後に何ら機能障害も残さず完全に回復するという1つの症候群はすでに前世紀Bruntonにより注目され,脳血管攣縮なる概念が導入された.この概念は上述の臨床症状を説明するには好都合であり,長い間一般に受け入れられてきたが,その確証に欠けるため,現在では否定的な意見も多く,むしろ動脈硬化に由来するものと考えられ,さらに脳硬塞に移行することが知られている.
最近,著者らは内頸動脈の狭窄に,赤血球増加および高コレステロール血症を伴った1例を2年数カ月にわたり追跡観察し,興味ある所見を得たので報告するとともに若干の考察を加えてみた.
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