検査データどう読みどうする?
末梢血中における異形細胞の出現
天木 一太
1
1日大萩原内科
pp.1034
発行日 1968年9月10日
Published Date 1968/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202351
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幼若白血球 異形細胞を広い意味にとって,通常は血中に出現しない幼若細胞を含めると,表のようになる.幼若白血球の出現はなんといっても白血病のときにいちじるしい.急性白血病のときには,異形性の明らかな,いちじるしく幼若な1種類の細胞が増加するし,慢性白血病の場合には,むしろ通常の白血球の数が高度に増加し,比較的少数の幼若白血球が出現する,いずれも診断は比較的容易で,ここでは詳しくはふれないことにする.
ときには白血球数増加も,核左方移動もないのに,骨髄球が1個出現することがあり,これを検査や鏡検上の誤りではないかと考える人がある.しかし正常人でも白血球層buffy coatを鏡検してみると,少数の骨髄球は検出されるものであるから,血液像に出現するのはそれほど病的でない場合でもみられる.まれに,やや小型の骨髄巨核球もみられることがある.
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