臨床メモ
小児のアセモが重くなったとき
宮沢 偵二
1
1仙台逓信病院皮膚科
pp.696
発行日 1968年6月10日
Published Date 1968/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202240
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私達臨床医の診療対象となるアセモは皮膚表面の汗口が塞がり,そのため汗の逃げ場がなくなって表皮内に汗が流れ出し,そこにたまって小水庖をつくつてくるものをいうのである.症状は赤い帽針頭大小水庖である.過度の発汗と汗口閉塞はアセモ発生の原因ともなり,結果ともなるものである.アセモは防暑により発汗を少なくし,サラシ,ガーゼなどの肌着着用によって,汗蒸発を良好にすることにより,容易に治癒するものである,アセモがなかなか治らないというのはアセモ以外に他の疾患が併発するためである.
アセモが増悪してくる場合,いかなる点を考えねばならないかというと,アセモが重くなるとアセモだけにとどまらないで,他の疾患に移行する,あるいは他の疾患を併発するということである.これはアセモの大きな特徴であり,アセモ診療上の問題点が存在するところである.
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