統計
国民の健康状態(2)
菅沼 達治
1
1厚生省統計調査部
pp.433
発行日 1968年4月10日
Published Date 1968/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202158
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前号につづいて生活総合調査のうちから,国民の健康に対する意識と総合判定との関係についてふれてみましよう。健康に対する意識は,15歳以上の全員に「近ごろ,あなたのからだのぐあい(健康状態)は,いかがですか」という質問のはいつた調査票を配布し,これを三つの程度に分けて回答を得たものです。
この結果は「よい」と答えたものが全体の32.6%,「ふつう」が56.1%であり,自分の健康に問題意識をもたないものが9割におよんでいますが,残りの11.3%は「よくない」と答えています。この健康に対する意識と,客観的な健康状態ともいえる総合判定との関係を図示しました。当然のことですが,意識と総合判定とは平行した結果をみせています。しかし,意識と総合判定との合致していないもの,特に「悪い」,「非常に悪い」という総合判定のものが,自分では「よい」と思つているもののうち9.6%,「ふつう」のうち14.0%もいるということは,国民の保健上重要な問題と思われます。このような事実は年齢が進むほどいちじるしくなり,前記の割合を65歳以上についてみますと,「よい」のうちでは30%をこし,「ふつう」のうちでは40%に及んでいます。
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