診断のポイント
腹部膨満を訴える患者
三浦 洋
1
1三浦胃腸クリニック
pp.204-205
発行日 1968年2月10日
Published Date 1968/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202093
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腹部膨満を訴える患者のうちには,消化管穿孔や,急性イレウスなど緊急手術を要するものから,腹部内臓の良性または悪性腫瘍のように正しい診断にもとづき,手術により初めて根治しうるもの,また胃腸アトニー症のごとく単に機能的な障害に起因するもので,多少診断が遅れても生命に関する問題の起こらないものまであり,これほど千差万別のものは少ないと考えられる。
このように腹部膨満という症状は程度の差こそあれ,腹部内臓疾患ほとんどすべてに広く現われるものであつて,この意味からいえば,そのような症状を訴える患者の診断のポイントということになれば,腹部内臓疾患をどのようにうまく鑑別するかということにあると考える。ここでは読者の大部分が臨床医家であると考えるので,実際的な見地に立つてごく臨床的なことがらについて私の診断の進めかたを述べることにする。
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