診断のポイント
血清カリウムの高いとき
河合 忠
1
1日大臨床病理
pp.206-207
発行日 1968年2月10日
Published Date 1968/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402202094
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採血時溶血・採血後長時間放置は絶対禁忌
血清カリウム(K)濃度が高い場合,まず考えなければならないこととして,「検体のとり扱いが正しくおこなわれたか」である。
体内には成人男子で約200g(または3000〜4000mEq)のKが存在するが,そのうち約90%は細胞内にあり,わずかに0.4%が血漿中に存在する。血液中でも赤血球内のK濃度は平均157mEq/Lで血漿中のK濃度(3.5〜5.4mEq/L)の約30倍も含まれている。したがつて,採血時に少しでも溶血が起こると赤血球内のKが血清中に大量に放出されるため,血清Kを測定する場合とくに溶血のおこらぬよう注意する必要がある。
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