治療のポイント
右脚ブロックをもつ患者の治療と生活指導
矢野 勝彦
1
1広島ABCC内科
pp.1294-1295
発行日 1967年9月10日
Published Date 1967/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201915
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右脚ブロックは心室内興奮伝導障害の一種で,心電図上QRS群およびST・T部に特徴のある著明な変化を示すので,初学者の注意をひきやすく,ややもすると重篤な心疾患の存在を示す所見に受取られがちである。また,右脚ブロックの臨床的意義や予後に関する従来の報告も,病院を訪れる心疾患患者を主とする統計が多く,過大に評価されていたきらいがある。近時心臓血管病の集団検診や疫学的調査がさかんになり,心疾患愁訴の有無にかかわりなく,広範囲の年齢,社会層を含む男女の心電図検査が行なわれるようになるとともに,右脚ブロックの実態や自然史がしだいに明らかにされつつある。このような事実を足場にして右脚ブロックをもつ患者の治療および生活指導について筆者の考えを述べてみたい。
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