EDITORIAL
臨床検査機械の進歩
樫田 良精
1
1東大中央診療部
pp.1154
発行日 1967年8月10日
Published Date 1967/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201885
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臨床検査法の最近の急速な進歩とこの新しい方法の日常診療への活発な導入は,いろいろな意味でこんにちの医療の姿を大きく変えつつあるが,このことは中央検査室システムや簡易検査法がまだ普及しなかつたころの状態をかえりみれば明らかである。しかしながら各種の臨床検査の日常化・集中化の発展は,たんに新しい臨床検査機器の開発にとどまらず,多量の検査を迅速精確に処理するために,さらに検査システムの自動化の方向に進んでおり,近き将来において臨床検査の機械化は医療施設近代化の大きな柱としていつそうの飛躍をとげるものと予想される。
臨床検査機器は直接患者の身体に使う患者検査機器と,患者から採取した材料を扱う検体検査機器の二つに大別できる。患者検査用の代表例には臨床生理検査機器,内視鏡,重症患者や手術室用のモニターなどがある。エレクトロニクスやfiber opticusなどの新技術の導入により,これらの機器は画期的な進歩をとげつつあるが,また小型化,システム工学化も最近これらの機器の示す大きな特徴である。集積回路の急速な発達は今後の医用機器にも大きな影響をおよぼすものと考えられる。
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