今月の表紙
膿・分泌液・痰のグラム染色標本
小酒井 望
1
1順大中検
pp.982
発行日 1967年7月10日
Published Date 1967/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201842
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細菌検査に際して,塗抹検査(染色標本による)で知りうることは,培養検査に比べてごく限られている。菌種の同定,感受性検査のためにはもちろん,材料中にわずかしかいない病原菌の検出には,培養検査を欠くことはできない。そうかといつて塗抹検査は省略するわけにはいかない。古典的なグラム染色による塗抹検査で,菌の種類が推定できる場合があるし,培養検査を進める上の大事な手がかりの得られる場合も少なくないのである。
図1疾のCandida tropicalis。グラム陽性の酵母様真菌が多数みえる。塗抹検査だけでは種類はわからない。培養検査によりCandida tropicalisと同定された。本例は化学療法中の菌交代現象として本Candidaが増殖したもの。
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