診断のポイント
いちじるしい体重減少の患者を診たとき
菅 邦夫
1
1菅内科診療所
pp.818-819
発行日 1967年6月10日
Published Date 1967/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201807
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診断の着手
第1の問題は,特定の器質的疾患が伏在しているかどうかである。 体重減少の速度や程度が一応の参考になりそうだが,質的な判断に必ずしも役だつものではない。
器質的疾患の有無について,二つの極端な例をあげることができる。一方の極端には,一次的に高度の体重減少をきたす器質的疾患の代表として,下垂体機能不全症(Simmonds病,Sheehan病)がある。他方の極端には,器質的疾患の存在を完全に除外された神経性食思不振症がある。しかもこの両者の鑑別はしばしばきわめて困難である。一つの時点での診断は想像の域を出ないことさえある。それほど両者はよく似ているのである。
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