正常値
ASLOの正常値
鈴田 達男
1
1東医大・細菌血清学
pp.124-125
発行日 1967年1月10日
Published Date 1967/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201643
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正常値を過信するな
抗ストレプトリジンO価測定反応(ASLO)の成績を測定するうえで忘れてならないことは,この反応は抗体価を測定する反応であるから,電解質や血液pHなどのように体内の恒常性がたもたれているものと本質的に異なり,むしろ後で述べるように外的な因子によつて左右される度合いが強いことである。
たとえば1回測定した結果が166単位あつたとしても,これだけでは正常とも異常ともいいえない。なぜならば溶連菌は自然界に広く分布しており,発病にいたらなくてもヒトは不顕性感染によつて抗体をつくるので,正常な人の集団のなかにもこの程度の抗体価の人はざらにみられるし,逆に連鎖球菌感染症の人でも時期によつてはこの価以下のこともあるからである。
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