オピニオン
臨床検査技師の未来像
杉島 節夫
1
1九州大学医学部保健学科検査技術科学専攻病態情報学講座
pp.22
発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543100312
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現在の社会は,機械化,自動化,コンピューター化さらにはロボット化と,とどまるところを知らない発展を遂げている.臨床検査業務も,臨床検査技師法が施行された昭和40年代から50年代の当時には,ほとんどの検査が用手法で行われていた.しかし,現在ではその当時には考えもつかなかった自動分析装置による検査業務の自動化,各種検査機器の高性能化,さらにはコンピューター化によるオーダリング・システム,ペーパーレス化,電子カルテの導入など,この数年すさまじいほどの勢いで進歩している.
また,近年は少子高齢社会,情報社会,多文化共生社会の到来で医療を取り巻く環境は厳しく,医療行政においても経済不況よる税収の不足と高齢化による医療費の増加などを背景に,医療保険の自己負担の増額,保険点数の再三の見直し,検診業務の縮小さらには大学病院をはじめとした特定機能病院でのDPC(diagnostic procedure combination,診断群分類包括評価制度)が始まり,医療費抑制の波は徐々に一般医療機関へも波及していくと思われる.
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