統計
医療施設における受療患者—傷病量について
菅沼 達治
1
1厚生省統計調査部
pp.1679
発行日 1966年12月10日
Published Date 1966/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201569
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厚生省では傷病統計の一つとして,医療施設の面から「患者調査」を行なつています。これは全国の病院から1/10,診療所から1/100を,層化無作為抽出によつて選び,毎年7月の水曜日1日に医療施設を利用した患者の状態を調査するものであります。
昭和40年7月14日の調査結果によりますと,全国の受療患者数は表のとおり,580万8千と推計され。国民17人について1人が調査日に医師の診察,治療を受けたことになります。しかし,再来患者のうち調査日に医療施設を訪れなかつたものは,この数には含まれておりません。そこでその当時医師の管理下にあつた患者を診療間隔から推計しますと,患者総数は1,625万に達し,国民6人に1人の割合になります。40年の結果を10年前と比べますと,全施設では2倍の増加を示し,施設の種類では歯科診療所が2.5倍ともつともいちじるしい伸びを示しています。一方この10年間に施設数は1.3倍,病床数は1.7倍近く増加していますが,受療患者の増加はこれを上まわつております。このような増加は実際に傷病が増えたことよりも,施設の増加,国民皆保険の達成,生活水準の向上によつて,以前より医師にかかりやすくなつたためと考えられます。
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