私の意見
Doctor-nurse relationによせて
笠間 雪雄
1
1関東中央病院産婦人科
pp.1444
発行日 1966年10月10日
Published Date 1966/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201510
- 有料閲覧
- 文献概要
病院は他の企業に比較し,とくに対人関係が重要視される職場である。種々な目的のために勤務する職員,医療を受けようとする患者,その他の人が病院に集まり,そのため人と人との接触は多く,対人関係は複雑である。また病院を構成している人間関係の綜合がその病院特有の雰囲気をかもし出す。そのうえ各部門の対人関係の不調整やtroubleは,患者へのserviceの低下はおろか,不満のはけ口として患者へのやつあたりとなつてさえ現われる危険性もある。そのため近年病院における対人関係を円滑にするため病院管理の近代化,組織の改善に努力がはらわれてきた。
病院の中核となるものは医師・看護婦間の職業的team workである。戦後このdoctor-nurserelationにも大きな変化が起こつた。看護婦は医師の従属的上下関係より技術的専門職業として認められるようになり,その地位向上の結果,職業的には医師と対等な立場に立つて医療に従事することとなつた。すなわち看護婦は総婦長をpyramidの頂点として婦長,主任看護婦,看護婦というchain of commandで結ばれ,総婦長の指揮下に各科へ配属され,看護部門を担当し,また随時配置転換される。この制度の長所は多々あるが,一方医師の側より看護婦に対して以前よりも多くの批判が出てきていることも事実である。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.