治療のポイント
腎盂腎炎
大野 丞二
1
1順大第二内科
pp.978-979
発行日 1966年7月10日
Published Date 1966/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201383
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急性腎盂腎炎
発熱,腰部痛,白血球増多症などとともに顕著な尿所見を呈するので,診断は比較的容易であるが,外見上の治癒にあまんじてその後の観察を怠ると慢性腎盂腎炎に移行する危険を伴うこと,および急性腎盂腎炎と思つていたものがじつは慢性腎盂腎炎の急性増悪によることがあるので注意が肝要である。
治療の要点は合理的な化学療法により数日間で自覚症状,病的尿所見が去つてもただちに化学療法を中止せず,約4週間にわたり有効な抗生剤投与をつづけることが必要である。また治療終了後は3カ月に一度ずつ1年間は尿所見を細菌学的にも追究し,かつ腎機能をもチェックして慢性化を防止する必要がある。
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