私のインターン生活
Tanzen und Arbeiten—臨床教育の現状に思う
垣花 昌明
1
1東大付属病院
pp.840
発行日 1966年6月10日
Published Date 1966/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201350
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世のなかには,実際に応用してみる機会はまずあるまいというようなことをずうずうしくも夢みていることが多いものです。電車のなかで隣の婦人が首つぴきで読んでいる週刊誌の記事が「あなたはそのときどうする?初めて男性にバーに誘われたら」さて,どれほどそんな危険度にあふれた妙齢の女性なのかと思つて,まじまじとくだんの彼女を眺めてみると,なんとまあ,同じ頁に広告を出している美容整形外科医をまず訪問するのがさきであると思いたくなるようなことがよくあります。
研修医K先生のダンスは混雑した会場でもめつたにパートナーを他のカップルにドスンとぶつけない,つまりまるで東京のタクシーに似た奇妙なテクニックを発揮することで定評があります。ものには順序があるのはダンスも同じことで,気がるに手を握り,正当な理由で女の腰に腕をまわせるあそびと考えるほど単純ではありません。壁に45°の角度から踊りはじめ,時計の針と逆の方向にホールを進行しなければいけないというれつきとした交通の流れを取締まる規則があるのです。
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