正常値
血清電解質—Cl,CO2含量
浦壁 重治
1
1阪大・阿部内科
pp.678-680
発行日 1966年5月10日
Published Date 1966/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201306
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生体では腎を効果器官とするHomeostasis維持機構が発達しているため,血清電解質濃度は種々の外因,内因に対して比較的安定で,したがつてその正常範囲,病的変動範囲いずれも他の濃度に比し狭い範囲にコントロールされている。これを測定法の立場からみれば,その測定に高精度が要求されることを意味する。幸い一,二の例外をのぞけば測定機器のめざましい発達によつて,この要求はほぼ満足される現状にある。たとえばCl測定は分析機器の発達を待つまでもなくSchales & Schales法など優秀な方法があり,さらにクーロメトリーを応用した機器も開発されている。一方CO2含量(HCO3-)測定には古くよりVan Slyke-Neillの検圧装置が用いられ,最近ではさらに簡便で検体量もわずか0.03mlで測定可能なUltra-micro-Van Slyke装置が広く市販されていて,Cl,CO2含量ともに敏速,簡易,高精度の測定が可能な現状にある。
したがつてCl,CO2含量の血清濃度正常値については問題は少ない。以下その二,三について検討成績を示し,私見を述べる。
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