今月の主題 輸液と臨床検査
技術解説
電解質とCO2量(HCO3—)の測定法
横松 守
1
,
小出 輝
1
Mamoru YOKOMATSU
1
,
Hikaru KOIDE
1
1順天堂大学医学部腎臓内科
pp.1466-1476
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542912044
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体液は細胞内液と細胞外液に分かれるが,その量は体重の約60%に相当する.体液には各種の有機および無機物質が含まれ,これらは電解質と非電解質に分けられる.電解質には陽イオンとしてNa+,K+,Ca2+,Mg2+などがあり,陰イオンとしてC1—,CHO3—,SO42—,HPO42—などがある.非電解質としてはブドウ糖,尿素,クレアチニンなどが含まれる.非電解質は一般に細胞内液,細胞外液に均等に分布するが,電解質は両者間の分布に大きな差がみられ,生体の機能にきわめて重要な役割を演じている.したがって,電解質を測定することは,種々の疾患における病態の把握と治療に重要な指針を与えてくれるものと思われる.各種電解質の測定は一般に血清または血漿を用いて行われるが,最近は測定機器の自動化や,多数の電解質を同時に測定できるマルチチャンネルのアナライザーが普及してきており,多くの検体を短時間で処理できるようになってきている.
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