この症例をどう診断する?・8
討議
和田 敬
1
,
梅田 博道
2
,
金上 晴夫
3
,
市川 平三郎
4
,
田崎 義昭
5
1久留米大内科
2東京医歯大内科
3国立がんセンター・呼吸器科
4国立がんセンター・集検部
5東邦大内科
pp.435-439
発行日 1966年3月10日
Published Date 1966/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201243
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日本住血吸虫症か
田崎 病歴は詳しく書いてあるので,お読みいただければ十分だと思うのですが。要点は,意識障害の鑑別というんだけれども,この症例は昏睡で眠っているというよりも異常行動を起こすんですね。もうろう状態になつちやつて,たとえば,自分でしたことを覚えていない,発作的に変な行動をするというようなことが何回かあつたわけですね。そして,身体的所見では腹壁の静脈が非常に怒張している。入院したときにも,やはり軽度の意識障害がありました。発作の持続時間はいずれも短かいということ。長くても,せいぜい2,3日ということですね。
それから,入院時の所見でその他に気をつけていただきたいことは足に浮腫があるということ,検査所見では,腎臓にも異常所見があるし肝臓にも異常があるということです。
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