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大蔵省の保険三法改正意見
pp.264
発行日 1966年2月10日
Published Date 1966/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201193
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厚生省の健保法など保険三法改正案は,社会保険審議会が国庫負担の大幅増額を前提とした赤字対策を答申したため,この趣旨にそつて手直しがおこなわれることになつたが,大蔵省当局はこの社会保険審議会の答申に抵抗をしめし,自民党医療基本問題調査会や同党政調社会部会などに,保険財政再建対策に関する大蔵省の意見書を提出した。このなかで,とくに大蔵省は「国庫負担の増額が問題の根本解決とはならない。今日の医療保険の財政危機は収支両面に問題がある」と国庫負担増額論に反論し,薬剤費の一部自己負担の必要性を強調している。
この意見書によると,わが国の医療保険に対して国庫負担を増大すべしという意見は大別すると3つに分かれ,その1は,政管健保などの赤字はすべて国庫で負担せよというものであり,その2は,社会党の40年度予算修正案にも見られるように,日雇い健保と国保に対する国庫負担率を引き上げるとともに,一般被用者保険に対しても定率の補助を行なうというものであり,その3は,医療費緊急是正9.5%アップに見合う保険者負担増を国庫で肩代りせよという意見である。そして40年度の所要経費は1の場合1,300億円,2の場合830億円,3の場合は512億円である。
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