診断のポイント
肺硬塞
友松 達弥
1
1神戸大内科
pp.41-42
発行日 1966年1月10日
Published Date 1966/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402201131
- 有料閲覧
- 文献概要
肺硬塞とは肺実質の出血性壊死で,血流の遮断によるものである。血流の遮断は多くは栓塞の結果起こる。したがつて肺栓塞と肺硬塞とは同意語でないことはもちろんであるが,肺栓塞は必ずしも肺硬塞に発展するとは限らない。なぜなら肺血管床においては肺動脈系の相互間においてもまた気管支動脈系との間においても吻合があるからである。それで臨床的にも肺栓塞と肺硬塞との間に多少異なつた臨床所見が見出し得る。しかし常に正確に鑑別できるとはいえない。肺硬塞の診断に当つてはまず栓子の存在条件あるいは発生要因が認められること,ついで本症に特徴的な臨床症状のあること,肺栓塞あるいは肺栓塞を立証する諸検査成績が得られることを知つておかねばならない。
Copyright © 1966, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.