床臨検査の盲点
検査成績と有効数字
阿部 裕
1
1阪大中検
pp.934
発行日 1965年6月10日
Published Date 1965/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200880
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測定には測定誤差がつきものであるが,臨床検査もその例外ではない。たとえば血清中のある物質を呈色反応によつて測定した場合,成績の精度には測定理論そのものの誤差,ピペット,ビューレット,比色計などの誤差,読みとりの誤差,その他偶然に起こつた過失誤差など多くの因子が関与している。さらにこの場合測定の基準となる標準液(または標準血清)の誤差も見逃すことはできない。
要するに測定にはこのような種々の誤差がつきまとつているから,その成績を数値で表現する場合には,これらの誤差因子を総合,とくに相対誤差のもつとも大きいものに注意し,さらに誤差伝播の理論にもとづいて数値計算を行ない,成績の何桁までが信頼しうるか,すなわち有効数字は何桁であるか明らかにせねばならない。
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