今月の主題
<話合い>慢性気管支炎—その考え方をめぐつて
砂原 茂一
1
,
藤田 真之助
2
,
三上 理一郎
3
1国立療養所東京病院
2東京逓信病院結核科
3東大中尾内科
pp.358-365
発行日 1965年3月10日
Published Date 1965/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200727
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慢性気管支炎をもう一度見なおしてみよう
藤田〔司会)きようは三上さんの慢性気管支炎の新しい概念という論文を参考にしながら慢性気管支炎の概念というようなことについて話合いをしようと思います。
慢性気管支炎は欧米ことにイギリスでは昔から死亡率が高いとか,その他いろんな点で議論されていた疾患ですけれども,日本ではなにか簡単な疾患として片づけられていたきらいがありました。ところがなかなかそうじやなくて予後の点からみても非常にめんどうな病気であるというようなことがわかつてきたこと,それから大気汚染とか喫煙なども,肺ガンと同じように,慢性気管支炎にも関連があるというようなことで最近問題にされてきたんだろうと思うんです。そういうようなことで欧米に引つぱられて,慢性気管支炎をもう一度見直したらという気運が出てきたんじやないかと思われます。それでまず最初に,慢性気管支炎の概念あるいは定義について,もちろん欧米でも日本でもまだはつきりしたところが出ていないわけなんですが。
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