私の意見
新しい病院組織と医師
姉崎 正平
1
1東京都立大大学院社会学
pp.902-903
発行日 1964年9月10日
Published Date 1964/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200476
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医療分野への実証的な社会学的アプローチは未開拓なだけに,いろいろな視点が考えられる。筆者は,ここ2・3年,医療に関する社会問題のような比較的巨視的な観点と,医師・患者間のサイコダイナミックスのような微視的観点の中間的立場で,かつ両者の概観をえられ,現実に医療が行なわれ,その目的のために組織され,経営されている病院の観察調査にたずさわつてきた。人間組織として,具体的に病院の社会構造や機能を,わが国の文化や歴史など社会的背景に照らしてながめることは,学問的に興味深いし,また問題を少なしとしないこの領域に対し実践的に社会学がいかに取り組むかということは社会学にとつても社会学徒にとつても一つの試練であろう。きわめてかぎられた紙面なのでいままでの仕事の印象的感想の一部を記す。
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