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オープンシステム病院に於ける医師幹部の組織
金子 敏輔
1,2
1神戸医科大学
2兵庫県病院協会
pp.11-21
発行日 1954年9月1日
Published Date 1954/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541200858
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まえがき
病院には歴史的にも諸外国の発展からみても2つの分類に分けられる。即ちClose Staff Syst-emとOpen Staff Systemである。外国では病院といえば一般にOpen System Hospitalの立場で考察されている,というのはアメリカの如く病院の約70%はオープン式で経営されているからで,即ちこれらの病院は開放性制度組織で医師の幹部を構成している。従つて外国では普通には病院はオープン制が常識となつている。Openという言葉は丁度労働組合のオープンとクロース制の如く,つまり医師が任命された病院で自由に診療ができるのと,できないのとで開放性又は閉鎖性と病院の性格が決まるのである。
ところで従来日本の病院は殆んど全部がクローズシステムである,まだ完全なるOpen Staff Systemの病院が経営されているのをきかない,たとえあつても完全なオープン制ではあるまい。日本でオープン制が発展を見なかつたのは日本の病院発展がおくれていたことを物語り病院というところはPubiic Institutionという概念をキヤツチしなかつたわけで従つて今日迄個大経営の私立病院が発展を見せた。又一方官公立病院とか大学病院の如くClose Systemの病院にならつて発達したことも原因であろう。Open, Closeどちらも特殊な性格があり,それで病院の在り方が決定するが何れも特色と美点もある。
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