話題
日本神経学会総会から
田崎 義昭
1
1東邦大阿部内科
pp.352-353
発行日 1964年6月10日
Published Date 1964/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200308
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第5回日本神経学会総会は慶大相沢豊三教授会長のもとに,3月22日より24日まで,東京日本都市センターで盛大に開催されました。この学会は読者にあまり親しみがないものと思われますので,簡単に紹介しておきましよう。日本の神経学は,伝統ある日本精神神経学会により,精神,神経科,内科が主体となつて発展を続けてきました。しかし学門の進歩とともに,脳神経系の臨床医学は,精神医学,神経学,脳神経外科学に分離する傾向にあります。そこで1960年臨床神経学を主眼として,日本臨床神経学会が発足し,さらに昨年日本神経学会と名称を変更しました。
したがつて第5回総会ではありますが,日本神経学会総会として開かれたのは,今回が初めてであります。一般演題は脳血管障害,脳循環,中毒,代謝異常,内分泌障害時の神経障害,てんかん,自律神経,ノイロパチー,ミオパチー,脊髄疾患,中枢神経腫瘍,膠原病の神経症状,神経疾患の疫学的研究,中枢神経系の炎症性疾患など190に及びました。昭和38年11月三井三池炭坑に集団発生した一酸化炭素中毒については6報告が行なわれ,何れも意識障害,失外套症候群,健忘症候群,失行,失認などを指摘しておりました。
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