増刊号 CT・MRI—“戦略的”活用ガイド
症状別検査オーダーのポイント
甲状腺
森 典子
1
1東京大学先端研究所臨床エピジェネティクス講座
pp.136-141
発行日 2014年11月1日
Published Date 2014/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402200057
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甲状腺疾患は胸部CT・MRI検査や,FDG-PET検査などで偶然指摘されることが多いが,CT・MRIやFDG-PET検査だけでは結節の良悪性の判断はつきにくく,結節そのものの評価は頸部超音波検査が中心となる.一方,病変の広がりや転移などCT・MRIやFDG-PETと組み合わせて評価が可能になる場合もあり,それぞれの特性を生かした検査が重要である.
甲状腺疾患では,しこり,圧痛,頸部違和感など自他覚的所見が認められることもあるが,嗄声や頸部違和感を主訴に受診される例の多くは異常がないことが多い.また,甲状腺疾患の大部分は無自覚で,PET/CT・頸部超音波検査などで結節が偶発的に認められることが多い.特に結節性病変は,甲状腺中毒症状・低下症状をきたすことも稀で,症状別に検査を行っていくというよりも,結節性病変であるか,びまん性病変であるかで検査を進めていくほうが効率的である.
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