書評
君はどんな医師になりたいのか―「主治医」を目指して
市村 公一
1
1東海大学附属病院
pp.1743
発行日 2003年10月10日
Published Date 2003/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107407
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卒後臨床研修必修化が,いよいよ2004(平成16)年度から導入されます.これに伴い「年間入院患者100人に対し1人の研修医,または病床10に対して1人の研修医」という制度上の制約と,昨年実施された厚生労働省のアンケートでも明らかな医学生側のプライマリ・ケア医,家庭医志向の高まりから,これまで大半の研修医を受け入れてきた大学病院から大量の研修医が市中の研修指定病院にシフトすることが予想されています.しかし,個々の医学生にとって肝腎なことは「全体の流れはさておき,自分はどこで,どんな研修を受けるか」でしょう.今までは「外に出るといっても様子もよくわからないし,研修後の進路も不安だから」と母校の医局に入局するのが大勢だったものが,ストレート研修が禁止され,大学に残っても外に出ても,スーパーローテーションでプライマリ・ケアの基本的診療能力を身につけることが求められます.
「どこで,どんな研修を受けるか」―卒後臨床研修必修化に伴って研修先の選定という問題に直面し,医学生は従来よりも一層真剣に将来進むべき方向を考えることになるでしょう.それも,必修化の大きな副次効果かも知れません.
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