書評
―黒﨑喜久 編―単純X線写真の読み方・使い方
松永 尚文
1
1山口大大学院・放射線医学
pp.43
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107301
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これまで,胸部や骨軟部の単純X線写真の本は多数刊行されてきたが,全身の単純X線写真をカバーする本は刊行されて久しい.
現在でも優れた基本的診断法である単純X線検査では,1枚のフィルム上で全体像を概観でき最初に行われる検査の1つであり,経過観察においてもその簡便性・再現性などの点で優れている.さらに,1枚のフィルムから得られる全体的な情報量の多さから診療の現場で最も多く施行されている.医療経済および患者への負担という観点からも,このような検査を最大限に活用することは大切なことである.しかし,CT・MRI検査の普及により,やや影が薄くなっているのも否めない.単純X線写真の所見を十分に評価しないで安易にCT検査が行われている現状もある.初心に返って単純X線検査の役割と限界を再認識する必要がある.そのような背景の元,本書は刊行されたと思われる.
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