特集 内科診療にガイドラインを生かす
代謝・内分泌疾患
脂質異常症
木下 誠
1
1帝京大学医学部内科
pp.336-341
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107127
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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
脂質異常症の診断・治療を中心に据えたガイドラインとして代表的なものに,日本,米国,欧州のものがある(表1).
日本の動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012は,日本動脈硬化学会が作成したもので,主として日本人のエビデンスに基づいて作成されている1).米国のNCEP-ATPⅢ(National Cholesterol Education Program:Adult Treatment PanelⅢ)は米国国立衛生研究所(NIH)が中心になってまとめたもので,2001年に発表された2).欧州のESC/EASガイドラインは欧州心臓学会と欧州動脈硬化学会が作成したもので,2011年に発表された3).これらすべてのガイドラインでは,個人の動脈硬化絶対リスクを判定した後,それに基づいた治療方針を設定するようになっている.個人の絶対リスクを判定するには疫学データが必要であり,米国ではフラミンガムスコア4),欧州ではSCOREリスク評価チャート5),日本ではNIPPON DATA806)が用いられている.
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