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内科診療に役立つ国内外のガイドライン
認知症の診断・治療に関するガイドラインは米国,欧州,英国でそれぞれ提案され,臨床に使用されている(表1).本邦では日本神経学会が2002年に公表した痴呆疾患治療ガイドラインが,日本神経学会と関連5学会のガイドライン作成合同委員会によって認知症疾患治療ガイドライン2010として改訂された.1983年から2010年までの論文報告をMindsエビデンス・レベル分類に準拠してシステムレビューを行い,推奨グレードをQ&A方式で提案している.2012年には日常診療への利便性のために短縮・簡略化されたコンパクト版2012が公表され,Q&A方式の準拠,新たなエビデンスの追加とともに,National Institute on Aging-Alzheimer’s Association Workgroup(NIA/AA)よって2011年に改訂された認知症の診断基準の追加,Lewy小体型認知症(DLB)治療薬の新たな論文の追加,せん妄の治療に関する項目の追加,Alzheimer病(AD)治療薬のアルゴリズムの追加がなされ,非定型抗精神病薬の保険適用外記述が存続された1).
欧米では,認知症の診断基準と画像,生物学的マーカー,薬物治療,非薬物治療のシステムレビューによるエビデンスの検証が行われ,Americal Academy of Neurology(AAN)のガイドラインとして2001年に公表された.以後同様なガイドラインがEuropean Federation of Neurological Societies(EFNS),National Institute for Health and Clinical Exelence(NICE, London)で提案されている.2007年にはAmerican Psychiatric association(APA)が認知症の行動・心理症状:behavioral and psychological symptom of dementia(BPSD)を含む薬物療法とケアの詳細なガイドラインを提出しており,コリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンの効果のメタ解析に基づいて,2008年にAmerican College of Physicians(ACP)の薬物療法臨床ガイドラインも策定されている2).
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