今月の臨床 プレコンセプションケアにどう取り組むか―いつ,誰に,何をする?
プレコンセプションケアの実際 : 基礎疾患のある患者への家族計画・妊娠前指導
甲状腺疾患
荒田 尚子
1
1国立成育医療研究センター病院周産期・母性診療センター母性内科
pp.1195-1199
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210546
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●未治療やコントロールの不十分な甲状腺機能亢進症や甲状腺機能低下症は妊孕性についても妊娠についても転帰は不良であることから,妊娠前から妊娠中の適切な管理が必要である.
●妊娠前からのバセドウ病コントロールと器官形成期のチアマゾール回避の必要性について,妊娠可能年齢のバセドウ病女性に対して,繰り返しカウンセリングを行う.
●妊娠5週0日から妊娠9週6日のチアマゾール曝露とチアマゾール奇形症候群発生との関連が示されていることから,この時期のチアマゾール曝露を避ける.
●すでに治療されている甲状腺機能低下症の場合は,妊娠成立後の甲状腺ホルモン必要量の増大に備えて,TSH値を正常下限値から2.5mIU/Lの間を目指してレボチロキシンを投与する.
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