今月の主題 連携して診る腎疾患―タイムリーな紹介から患者マネジメントまで
腎機能を悪化させないために行うべき治療とは
エリスロポエチン製剤をいつ開始し,どの程度貧血を改善すればよいのか?
栗山 哲
1
,
大塚 泰史
1
1東京都済生会中央病院腎臓内科
pp.1912-1917
発行日 2012年11月10日
Published Date 2012/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106519
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ポイント
★腎性貧血は正球性正色素性貧血で,診断は除外診断である.
★ESAによる貧血改善はQOL改善のみならず,左室肥大退縮作用,腎機能低下遅延作用,脳血流増加作用などの臓器保護作用がある.
★開始基準はHb値11g/dl以下(高リスク群は10g/dl),目標はHb値13g/dl(高リスク群は12g/dl)とする.
★保存期CKDでESAによるHb値上昇で脳卒中のイベント増加が懸念される.したがって,Hb値は正常化するほどには上げない.特に高リスク患者では注意する.
★ESAの副作用として,高血圧,血栓イベント,赤芽球癆に注意を払う.
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