今月の主題 外来・病棟でのプライマリケアに必要な感染症の知識
緊急性の高い病態
脾臓摘出患者の発熱
岸田 明博
1
1手稲渓仁会病院外科
pp.1734-1737
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402106191
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ポイント
★脾臓は血液濾過器としての機能だけではなく,感染症予防に対しても重要な働きを担っている.
★白脾髄,赤脾髄,marginal zoneの3部構成とopen theoryと称される脾臓内での独特な血液の流れが脾臓機能の理解において重要である.
★脾臓摘出術後あるいは脾機能低下症においては,激烈な経過をたどる感染症が約3%の頻度で発生し,OPSIと呼ばれている.
★OPSIは急速な進行と約25%に及ぶ死亡率のため,初期対応の大切なmedical emergencyである.
★病態の解明から,ワクチン接種と患者教育に基づく予防策の効果が証明されており,その積極的導入が推奨されている.
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