Japanese
English
連載 専門医試験をめざす症例問題トレーニング
脊椎・脊髄疾患
Spine and spinal cord disease
岡田 英次朗
1
,
金子 慎二郎
2
,
渡邉 航太
1
,
松本 守雄
1
E. Okada
1
,
S. Kaneko
2
,
K. Watanabe
1
,
M. Matsumoto
1
1慶應義塾大学整形外科
2国立病院機構村山医療センター整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., School of Medicine, Keio University, Tokyo
キーワード:
spinal fracture
,
DISH
,
diagnosis
Keyword:
spinal fracture
,
DISH
,
diagnosis
pp.1195-1202
発行日 2019年10月1日
Published Date 2019/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei70_1195
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症 例.87歳,男.
主 訴:頚部痛,両上肢筋力低下,両上肢しびれ.
既往歴:高血圧,糖尿病.
現病歴:自宅の布団の上で転倒して前頭部を打撲した.直後より頚部痛が出現したものの,疼痛が自制内であったためにその日は様子をみていた.症状の改善が得られないために,翌日になって整形外科の診療所を受診した.単純X線を撮影し,頚椎症性脊髄症と診断された.強い頚部痛と両上肢に進行性の神経症状があることから受傷5日目に当院を紹介され受診となった.
初診時所見:激しい頚部痛のために歩行は不能であり,車いすでの移動であった.左上肢優位の筋力低下を認め,左上腕二頭筋,手関節屈曲筋,手関節伸展筋は徒手筋力テスト(MMT)で右3,左4であった.しかし,指伸展筋,屈曲筋は両側ともMMT5で,下肢筋力もすべてMMT5であった.上腕二頭筋反射は両側とも正常であったが,腕橈骨筋反射,上腕三頭筋反射,膝蓋腱反射およびAchilles腱反射は亢進していた.足クローヌスは両側で陽性でBabinski反射は両側で陽性であった.膀胱直腸障害はなかった.
画像所見:受診時頚椎単純X線2方向像,頚椎CT-multiplanar reconstruction(MPR),頚椎MRIを示す(図1~3).
© Nankodo Co., Ltd., 2019