書評
―岩田健太郎 訳 Jerome P. Kassirer・John B. Wong・Richard I. Kopelman 著―クリニカル・リーズニング・ラーニング
徳田 安春
1,2
1筑波大学附属水戸地域医療教育センター
2水戸協同病院総合診療科
pp.103
発行日 2012年1月10日
Published Date 2012/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105764
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20年近く前に本書(原書)の第一版を購入し繰り返し拾い読みし,以来長年にわたり研修医教育にも利用していた.症例集がついているので,沖縄県立中部病院勤務時代はこれを利用して総合内科レジデントを集めてグループ学習を行い,臨床推論トレーニングを楽しんでいたことを思い出す.臨床推論の分野では本書に並ぶ教科書は無い.最近第2版がでて,認知科学と心理学からインプットされたさまざまな新しい理論(説)も追加され,症例集も補充されており,充実した内容に感心していた.そんなとき本書の翻訳版が出た.
本書は岩田健太郎氏がなんと「独りで」翻訳を担当したとのこと.本書の大ファンとしては,岩田氏が翻訳してくれてとてもうれしい.翻訳ではあるが,それでも岩田流口語調のモダンな言い回しがいつものテンポで展開されて読みやすい.翻訳書でこれほど読みやすい文章となっていることは誠に驚きである.
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