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特集 進歩する循環器低侵襲治療
ロボット心臓手術の現状と展望
Current status and future perspective of robotic cardiac surgery
吉川 泰司
1
Yasushi YOSHIKAWA
1
1鳥取大学医学部心臓血管外科
キーワード:
ロボット心臓手術
,
da Vinci
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
大動脈弁置換術
Keyword:
ロボット心臓手術
,
da Vinci
,
僧帽弁閉鎖不全症
,
大動脈弁置換術
pp.899-902
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.32118/ayu292110899
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心臓血管外科は,人工心肺装置が開発された1953年以降に急速に発展し,超高齢社会が進行するなかで,社会のニーズに呼応するように低侵襲化が図られてきた.そのなかでもロボット支援下手術は,高解像度3Dモニターや広い可動域を持つロボットアームを活用し,精緻で安全な手術を実現している.心臓領域では,僧帽弁形成術を中心に適用が進み,従来の開胸手術やMICS(低侵襲心臓手術)よりも優れた成績が報告されている.米国では14.6%の僧帽弁形成術がロボット支援下手術で行われ,日本でも2018年に保険適用となり導入が進んでいる.ロボット心臓手術は患者の負担軽減や若手医師の教育にも寄与し,適応症例も増加している.今後,da Vinciサージカルシステム以外の参入や技術革新によるコスト削減と,AIや触覚機能を持つ新たな手術支援ロボットの開発が期待されている.

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