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編集室より
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pp.2222
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402105722
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●「がんはいいぞ,あと○カ月と言ってもらえるんだから」.がんで逝った先輩が病床で語っていたと,別の先輩から以前何度か聞かされました.その先輩らしい自虐的諧謔だと受け止めていましたが,認知症が確実に進んでいく高齢者に接するにつけ,案外そういう面もあるのかもしれないなと,この話を思い出す機会が増えてきました.震災で一瞬にしてというのとも違い,自分で後始末をする時間がもてるのか…….●日本人の2人に1人ががんになり,3人に1人はがんで死亡する時代だそうです.これなら,傘を持たないときに限って降られ,歳末の福引きで残念賞以外当たったことがない,運から見放された身にも,可能性はそこそこあるわけです.もちろん,終末期やがんサバイバーまで丸ごと受け止め支えてくださる先生方にめぐりあい,笑顔で最後を迎えるほどの運はないでしょうが.●それに,いざそうなったとき,はたして告知に耐えられるか,痛みや不安と戦えるか,自信などまるでありません.安易な「余命告知」は慎むべきだとのお話もありました.●日本人の発がん要因で大きいのは煙草とアルコールだそうです.となると,がんを選ぶか避けるかは,ひとえに目の前のアルコールにかかってくることになり,どちらの道を選ぶべきか今夜も悩みは続きます.もう少し思索を深めるべく,取りあえず「おねえさん,熱いのお代わり」.
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