特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第8集
腫瘍マーカー
乳腺・婦人科系
CA15-3
甘利 正和
1
,
大内 憲明
1
1東北大学大学院医学系研究科腫瘍外科学
pp.550-552
発行日 2010年10月30日
Published Date 2010/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402104841
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異常値の出るメカニズムと臨床的意義
CA15-3(carbohydrate antigen 15-3)は,2つのモノクローナル抗体(ヒト乳汁の脂肪球膜に対するモノクローナル抗体115D8と乳癌肝転移細胞の膜成分に対するモノクローナル抗体DF3)により認識される糖蛋白抗原であり,放射免疫測定法(radioimmunoassay:RIA法)により血清値を測定する.検体採取条件は,採血後2時間以内に低温遠心機(4℃)で血清に分離する.血清で約0.4mlを要し,測定時まで-20℃で凍結保存する.検体の安定性は12週間とされている.
乳癌の腫瘍マーカーとして感度が高く,特異性に優れており,術後再発の予知,進行・再発乳癌に対する治療効果判定の補助として有用であるが,早期乳癌の発見には有用ではない.
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